eienchang’s diary

内面の考察と日々の学びをひたすら書くぶろぐ&◆◆◆英語・翻訳の勉強のメモノート88888

光の王 ロジャー・ゼラズニイ

 

「呼吸というのは、神々の贈り物のうちでも、

もっとも感謝のされかたがすくない。

王者も乞食も、勝利者も負け犬も、

ひとしくそれを吸っていながら、

そのよき空気に感謝を捧げ、

それをほめたたえるものはだれもおらん。

 

 

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夜の翼 

 

月のない空には銀河が白く流れていた。


☆🌕🌜🌛
そして真実の月と二つの偽(いつわり)の月の、移りゆく光を浴びて、

両腕をふりあげ、指をねじ曲げ、仮想の敵に何度も爪をたてるのを私は見た。


アヴルエラが優しく言った。
「あたしたちは、第二の青春を〈聖霊〉の寛大で慈悲深いみ心を通して得るのであって、
個人の善行からではありません」


この娘にはだれか愛する者が必要だったのかもしれない。

なぜなら、愛するとは受け取ることの極致である。

返礼なしに愛されたことのある人なら、誰でもこれを証明できるだろう。
愛される人は、与えに与えなければならない。
そしてバーバラは愛する人を見出したが、

それはそぞろ歩きのときではなくて、市場へ行ったときだった。

 

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背教者ユリアヌス

☆p15上

それはバシリナの眼が、青灰色のすきとおった感じの眼で、

見開いていても、どこを見ているか、よくわからないような、

ある種の謎めいた、空虚な感じを与えたからである。

良人のユリウス・コンスタンティウスはバシリナのこの風変わりな、

謎めいた眼に強くひかれていて、コーサカスの山脈の色とか、

ガリアの狼の歪んだ眼とか、戯れに呼んでいたが、

たしかに彼女のほっそりとしたやさしい顔立ちのなかで、

この眼だけが、際立った印象を与えたのは事実だったのである。